ケトルベルの特色

ケトルベルの成り立ち
ケトルベルでできるトレーニング
ケトルベルの形状の特徴

1.ケトルベルの成り立ち

ケトルベルはロシア語でgirya（ギリャ）と呼ばれていて18世紀初頭にはロシアで存在が確認されています。
伝統的な鋳鉄製の重りで砲弾に取手を付けたような形をしています。
やかんのような形をしている事からその名がついたと思われます。

帝政ロシアではケトルベルが非常に人気があったため、ケトルベルで鍛える人のことをGirevikやkettlebell manと呼びました。
1913年のロシアの雑誌「Hercules」では「ケトルベルスポーツほど筋力と体を発達させるスポーツはありません。」
と書かれていた。

ロシアでは軍や特殊警察のトレーニングに正式採用され、国費を使ってケトルベルトレーニングの研究がされました。

ちなみに日本で言うと1700年代は徳川幕府五代将軍徳川綱吉の時代あたりです。

また、バーベルの誕生は19世紀1890年ごろと言われています。
この年代には欧米のジムにはケトルベルがだいたい置いてあったそうなのでその時期に海を渡ったのかも知れません。
成り立ちについては所論ありますが鉄球に取っ手を取り付けてトレーニングに使ったと思われる。

2.ケトルベルでできるトレーニング

よくケトルベルは体幹を鍛える事ができる！と豪語する指導者を見かけます。
間違いではないですが正しいとは言い難いです。

なぜならケトルベルは形状こそ特殊でも「ダンベル」の一種であることには変わりなく、いわゆる代名詞のスイングのような遠心力を活用したトレーニングは使用法のほんの一部に過ぎないからです。

とはいえスイングは素晴らしいエクササイズであり、スイングを勧めたくなる指導者の気持ちはわかります。

スイングは簡単なエクササイズではなく未熟なスキルでは身体機能を鍛えるどころか関節に甚大な負担を与えるエクササイズになってしまいます。

以上を踏まえてケトルベルで行える代表的なエクササイズをリストアップします。
解説は別の機会に・・・・

代表的なエクササイズ

デッドリフト
スイング
ゲットアップ（ターキッシュゲットアップ）
ゴブレットスクワット
ミリタリープレス
クリーン
スナッチ

これらのトレーニングはバーベルやダンベルでも実施する事が可能です。
ケトルベルの形状の特性を活かすことで＋αの恩恵をあずかる事ができるのです。

ゲットアップ

ケトルベルを使っていませんがケトルベルを使う事で重心が変わり、身体能力向上に大きく貢献します。

2armスイング

種目についての目的や解説は追って記事を書きます。

次にケトルベルの形状の特徴について解説します。

3.ケトルベルの形状の特徴

ケットルベルの形状とコンパクトなサイズによりスイングやスナッチなどのエクササイズで「安全に」加速させることができます。
「加速」を活用したエクササイズはフィットネス要素の多くを改善する上で非常に効果的、効率が良く安全であるという研究が増えています。

またコンパクトで安価で壊れにくく畳一畳程度のスペースがあればどこでも使用できます。

①の四角でかこった部分を「ハンドル」と言います。

②カーブの部分をホーンと言います。

③球体部分。ここが重量の大部分、球体の中心が重心となります。

このハンドルの形状を活用したエクササイズ方法がたくさん開発されました。

ケトルベルは球体側に重心があり、持ち手から距離があります。ダンベルは持ち手と重心が近いです。
この持ち手と重心の距離により遠心力を扱ったトレーニングが可能です。
スイングはこの遠心力を利用して球体を加速させる事でスピードアップで負荷を増やすことができます。
また、ダンベルに比べて不安定なのでバランスを取りながら動作を行う事で握力や体幹部の筋力を多く動員しなければなりません。

ここからわかる事はケトルベルトレーニングはダンベルトレーニングに比べると全体的に難易度があがる、という事です。
どちらが優れているという訳ではありませんが難しいという事はリスクが高いという事ですので初心者は専門家に習う事が必要と考えます。

エクササイズによってはハンドル中央だけでなくホーンを持つことありますし、球体部分を持つこともあります。
決まりはありませんので独創性に富んだバリエーションが数多く存在します。

画像のケトルベルは基本的な形になりますが形状や素材も様々なものがあります。

・ダイキャストアイアン製

・ラバーコーティング

・ソフト素材（砂）

・競技用ケトルベル

使い方は変わりませんが目的や環境に応じて替えると良いです。

vol.2はケトルベルトレーニングの種類について解説します。

最後までお読みいただきありがとうございました！